相続税の仕組みを知る(その2)

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■何が相続税の対象?

当たり前のことですが、相続税が課される財産は、金銭的な評価が可能なものに限定されます。

つまり、金融資産や不動産のような換金が可能なものは、ほとんど全て相続税の対象となると理解して間違いありません。

しかし、故人が残してくれた財産でも、相続税の対象になるかについて判断に迷うものが出てきます。たとえば、葬儀の際に頂いた香典や先祖から引き継いだ墓所などは金銭的な評価が可能です。

これらは政策的に非課税扱いになっていますが、生命保険契約に基づいて遺族に支払われた生命保険金や会社から支給される死亡退職金の場合、本来は相続財産ではないものの、相続財産とみなして課税されるものもあります。

さらに、故人が収集していた切手や古銭、自宅の池で飼っていた観賞用の鯉なども、金銭的な評価ができそうに思えますし、逆に、売ってしまえば二束三文にしかならないように思われるものでも、はたして相続税の計算で除外していいのか判断に迷うところです。

ところで、相続財産にはプラスのものだけとは限りません。故人が残すものの中には、金融機関からの借入金や葬儀費用など、プラスの財産からマイナスされるものもあります。

したがって、いざ相続税を計算してみると、課税される財産が少なく、相続税の申告の必要がないというケースも出てくるのです。

相続税の税務調査があると必ず聞かれるのが、故人の趣味や人間関係です。ゴルフが趣味であればゴルフの会員権を保有していたのではないか、また、故人の人間関係を葬儀の会葬記録や電話帳を調査して、相続財産として申告していない証券会社や金融機関の資産がないかを確認します。

残された家族ですら知らないことが沢山あるからこそ、相続税の申告は難しいのです。

■評価はどうする?

相続税が課される財産が把握できたとしても、次にこれらをどう金銭的に評価するかが問題となります。この点は専門家でも困難を極める場合があります。

特に複雑な地形の土地や会社経営をしていた故人が残した自社株など、評価が一筋縄ではいかない場合があるからです。

都市部では珍しくありませんが、他人の土地を借りて家屋を建てている場合、故人が保有する不動産は家屋だけではなく、借地権という財産も保有していることになります。

もっとも、この借地権が登記されていることはほとんどないため、財産評価を忘れてしまうようなことも出てきます。

また、土地の場合、国税局から毎年公表される路線価による評価が求められますが、全ての土地にこの路線価が付されているわけではないため、評価の難しいケースが出てきます。

たとえば、購入して間もない土地建物などで、相続税の評価額が購入価格を大幅に下回っているような場合や、故人が亡くなる直前に全面リニューアルした家屋など、実務的にも評価に迷うケースが沢山あるのです。

相続税の申告で発生するミスの大半は、相続財産の漏れと、この財産の評価の誤りです。専門家でも、正解を導き出すには熟練を要するというのが相続税という税金なのです。

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