死んだ人のことを実は誰も知らない

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どんな人か分からない

会社であれば、過去の記録を正確に残す必要があるので、帳簿や伝票類から、その会社の何たるかを知ることが可能です。

一方、個人の場合、積極的に会社の帳簿に相当する記録を付けている人は稀です。そのことから、その人がどういう人で、どの程度の財産を残したのかを知るのに苦労することは珍しくありません。

家族や親しくしている友人であっても、自分の全体像を把握している人を探すことはできないでしょう。

相続税の調査の時、国税の調査官はまず、被相続人の過去の趣味を尋ねたり、電話帳を閲覧することを求めます。

これは、今まで接点のなかった人の亡くなった時点での相続財産を推計していくために必要不可欠な手法です。

ゴルフが趣味であればゴルフの会員権を保有していないか、証券会社の電話番号が電話帳に記載されていれば、恐らく証券会社に取引口座があり、上場株を保有しているかも知れないと考えるからです。

つまり、その人しか知らない情報を他人が知るということはとても難しいことなのです。財産であれば、金庫の中を調べるとか、郵便局や金融機関に尋ねるなりすれば情報はある程度入手できます。

しかし、家族や友人に対する思いや、伝えたい希望など、自分にしか分かるはずがありません。

人生の整理整頓

自分の人生を整理して家族や友人に伝えられるようにする。伝えたいことはたくさんあっても、何をどう伝えたらいいのか、なかなかまとまりがつかないものです。

そんなとき、書き残すための指針となるものがあって、一つ一つ質問に答えていけば、おおむね伝えたいことの中核部分が残せるようになっていれば、とても便利です。

そこで、私どもは個人の方の財産管理や相続のお手伝いをさせていただいてきた経験から、「ゆうライフノート」という未来にメッセージを残すことを目的としたノートを作成しました。

この「ゆうライフノート」は、記載された質問に答えてくことによって、自分の過去・現在と未来への希望が、自然と、しかも簡潔に記載できるように構成されています。

ここに記載する内容は、家族や友人が知りえなかった個人の思いや、生きていくために重要な情報ばかりです。言っておいてくれれば、苦労しなかったというようなことは相続ではたくさんあります。

特に、残された人たちの生活の糧やこれからの収入や支出など、現実的なことも情報としてアドバイスを残してあげるべきなのです。

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